AFWP2008での展示コーナーメイン企画は、「もの派 −YOKOHAMA物語− 」に決定しそうな気配です。会場では誰もが「おっ」と驚くような、もの派コーナーがお目見えすることでしょう。
ところで、この「もの派 −YOKOHAMA物語− 」とは一体なんぞや? そう思われた方もいらっしゃると思いますので、ここで少し触れておきたいと思います。
かつて日本から世界に向けて発信された前衛美術のグループはたったの二つでした。その一つは「具体」であり、もう一つは「もの派」ですネ。 私たちは両者の中で「もの派」に対してスポットを当てているわけですが、一般的には「もの派」の代表はリー・ウーファンと認識されています。
しかしその歴史を手繰ってみると、「もの派」の代表は明らかに関根伸夫をおいて他にはいないでしょう。間違いなく、関根伸夫は「もの派」の創始者なんです。
その名が世に知られるようになったのは、1968年須磨離宮公園現代彫刻展で「位相-大地」を発表してからのこと。当時この創造物は、見る者の心に衝撃をもたらしたと言われています。
実はこの作品が作られた時代、関根先生は比較的多くの時間を横浜で過ごすという環境にありました。その場所が富士見町アトリエと呼ばれていたBゼミなのですが、1967年〜69年にかけての約2年間はここを拠点にしていたそうです。
当時関根先生は多摩美術大学の院生で、その時期に起こったのが大学封鎖(1967年〜69年)でした。そして、行き場を失った美大生(特に多摩美生)が集まって来たのがBゼミということです。
「位相-大地」を作るに当たっての、次のような文章を見つけましたのでご紹介いたします。
「・・・山手線を何度もぐるぐる回るような呻吟をして、当時アトリエとなっていた横浜市富士見町に取って返し、閃いたアイデアを吉田克朗、小清水漸に熱っぽく話す。」(「位相-大地」の考古学より)
「位相-大地」はこの瞬間に生を受けたのです。
AFWP2008を横浜で開催するにあたって、「もの派」と「横浜」との関係が深く結び付くきっかけを発見したような気分です。 これを機に、関根先生の仕事に更なる脚光が浴びることを願います。
★お知らせ★
AFWP2008に先駆けて、関根伸夫展 −YOKOHAMA物語− を開催いたします。
関根伸夫展 − YOKOHAMA物語 −
(2008年の新作を中心に展示)
会期 : 6/19(木)〜24(火)
OPEN : 11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
場所 : ぎゃらりー彩光 045-681-0768
横浜市中区相生町3-6-3 八百政ビル1F MAP
主催 : 関根伸夫を応援する会
窓口 : 麻生竜巳 090-1037-4064
作家交流会 : 6/21、6/23(14:00より開催)
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